かなり以前から図書館予約しておいた
「インターセックス」(著・箒木蓬生)が届いてので、読みました。
箒木蓬生の小説は彼が医学部卒だけあって、
病院関係が多いような気がします。
今回の話も同様・・・・。
題名のインターセックスとは「両性具有」の事。
男と女の性の中(インター)という感じでしょう。
パターンである、正義感溢れる特別優秀な女性ドクター(秋野)が、
モンスターと呼ばれる野心家実業家ドクターと絡む話でした。
友人の死と野心家ドクターの犯罪とインターセックスの社会的
問題を上手に絡めながら話が進みます。
ちょっと、モンスターと呼ばれたドクター岸川が善人的に
描かれていたのが、残念!
自分の野望(社会的要請もあるが・・・)のために、何人も都合良く
殺しているのだから、簡単に善人に変わるのは、ちょっとイージー!
社会的に要望されている「産婦人科」病院の反映のためとは言え、
簡単に妻・愛人2人・スパイ部下・強請部下の5人を一気に殺す
男が何か良い人・・・・って感じに読み取れちゃうところが不思議・・・。
「インターセックス」=「男と女の真ん中ではなく、人間」という
取り上げ方が素晴らしいと思う。
最近世の中は、何でも安易に2つに分けたがる傾向があり、
それに当てはまらない場合の方がきっと多いのに、
無理矢理当てはめて考えるイージーさが色々なひずみを生み出している
ような気もしていました。
(勝ち・負け、利口・馬鹿、裕福・貧乏等など)
何でもその真ん中があっても良いでしょうって思う。
(世の中曖昧なのが一番大事と言うことも多いしね)
それに、産婦人科医を巡る社会的問題の解決法もこれで。
「課題労働の軽減=人数を増やす・訴訟=大きな金額の保険を医院で保障」
地域医療の問題解決に対しても、作者の視点で示唆しているような・・・・。
正義感溢れる女性医師・秋野とモンスター院長・岸川の対決よりも
今医学界が抱える問題について深く捉えた作品だと思いました。
岸川の遺書の一文。
「産婦人科ほど素晴らしい医学はない。人の生まれに関わり、その成長を
ずっと見つめられる・・・・・素敵な学問・・・・」
岸川の作った理想的なゴージャスな大病院に集まる個性的なドクター
たちの描き方も非常に好感が持てました。
特に秋野の最終絶対的な味方である病理部長・峯の正義を貫く態度と
電車オタクの所に、好感が持てました。
いつものことですが、箒木蓬生の小説は、色々と学ぶことが多いです。

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