ぎっくり腰110番マーク

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 気活グループ

2008年12月17日水曜日

「闇の子供たち」(著・梁石日)を読んで


最近映画にもなりましたので、ちょっと原本を読んでみようと思い、図書館から借りました。(映画の影響で人気ありで少々待たされました) この作者の作品は少し読んだことがありましたが、今回の作品は社会派問題作です。今までの読んだ作品は、彼が在日であるので、その在日の力強く、また不安で脆い生活を描いた作品の数々でした。
この本はタイでの児童人身売買、特に児童売買春と内臓移植の問題を扱った作品です。映画ではノンフィクション作品と謳い、センセーショナルに訴えていましたが、色々な方面から抗議があり、ノンフィクションの文字は取ったようです。
ノンフィクションと言っても、どの人もこんな事は実際にあるんだろうな、と感じるでしょう。だって、日本でもそんなに遠くない昔には「人買い」・「女衒」という商売?があったんですからね。今でも、水商売関係ではそんな話を聞きます。(アジア人ホステスを巡って)
IT社会でも最近児童ポルノ問題で何人も捕まったような記事がありました。幼児売買春の問題は日本だけでなく、広く世界的な問題なんでしょうね。(文化文明・経済が進んだ国の精神的病?) 自分の子どもを売ったお金で親が少し優雅な暮らしをするというのもいたたまれない感じ。国家的な政策で、ある人種を迫害し、今以上の自立をさせない意志が大きく働いているんでしょうね。
個人の力が、政治的な力に巻き込まれ、翻弄され、暴力的な力で壊され、そこからまた立ち上がっていく・・・・と言うパターン話。これはこれで力強い人間の力を表現しているんですね。
「その国の問題はその国の人達が解決するしか解決しない」という言葉にも一理あり。いくら刺激を与えても、やはり底辺からの力がないと、革命は起こらない・・・・。今のメチャメチャのアフリカもどういう風になるか分かりませんが、きっといつか何らかの整頓が訪れるのでしょう。(人類の実験場と言われています)
タイだけでなく、貧しい国ではこんな事が本当に行われているんだろうなと思います。
(当然それが悪とは思います)
映画も観たくなりました。映画館ではもう終了しているので、DVDで観ようと思います。
センセーショナルな宣伝がありましたが、それほど盛り上がりはなかったような・・・。

2008年12月8日月曜日

シュウカツー石田衣良を読んで


「シューカツ」とは「就職活動」の略語とは知っていましたが、これほどまで今の大学生が一生懸命とは思いませんでした。
3年生から就職活動を開始して、4年生では就職先が決まっていて、卒業を目指すだけという生活ローテは何か早いような気もします。(経験からです。就職のための大学?っていう一面を強く感じられてしまいました。)
私の場合は特殊な大学出身なので、そこを卒業すればほとんどある職種に就くという(卒業年度夏に試験あり)レールがあり、ごく当たり前のようにその仕事に就きました。どんな職種に就きたいとかは全くありませんというか、入学する目的がその職種に就職を意味しているからです。

大学生達が、自分の就職活動を充実するためにグループを作り、そこで助け合って・・・・、という物語ですが、今の真面目な大学生の一面を描いていると思いました。(真面目の基準はそれぞれ異なるでしょうが・・・)熱い助け合いあり、悩みを相談し合い、飲み合い、恋話もあり、まあ青春物語の一種なんでしょう。(大学生でもこんな友情物語が本当にあるのかどうかは疑問です)
作者の理想的な若者群像を描いているんでしょうね。
新卒というゴールデンチケットを手に入れるために、自分達の経験したことがないくらいに追い込み、社会に飛び出していこうとする若々しさ、瑞々しさが微笑ましく描かれていました。「とにかく、若いっていいなぁ~。」っていうのが一番の感想。就職と言うことで社会に出る不安に満ちた若者達を応援する意味でも作者の意図が感じられました。なかなか面白い青春小説でした。みんな悩んで大きくなった、なんて言葉も思い出しました。今は急に不況風がアメリカから吹き始め、いきなり以前の就職難に逆戻りになりつつありますが、シュウカツを行う学生さん達は、みんな焦っているんでしょうね。何かその時代の動きにあまりにも影響を受けるので、可哀想・・・・。(自分を責めるなよと言いたいです)
この小説の最後は何か尻切れトンボのような終わり方でちょっと残念。それまでは、細かく描かれていたのに何か物足りないような終わり方でした。そこがまた良いんだという方もいるでしょうがね・・・・。
石田衣良らしい青春ドラマでした。
題名も面白いしね!
高校生も大学生も「シューカツ」を上手く乗り切って欲しい!

2008年12月4日木曜日

インターセックス(著・箒木蓬生)を読んで


かなり以前から図書館予約しておいた
「インターセックス」(著・箒木蓬生)が届いてので、読みました。
箒木蓬生の小説は彼が医学部卒だけあって、
病院関係が多いような気がします。
今回の話も同様・・・・。
題名のインターセックスとは「両性具有」の事。
男と女の性の中(インター)という感じでしょう。
パターンである、正義感溢れる特別優秀な女性ドクター(秋野)が、
モンスターと呼ばれる野心家実業家ドクターと絡む話でした。
友人の死と野心家ドクターの犯罪とインターセックスの社会的
問題を上手に絡めながら話が進みます。
ちょっと、モンスターと呼ばれたドクター岸川が善人的に
描かれていたのが、残念!
自分の野望(社会的要請もあるが・・・)のために、何人も都合良く
殺しているのだから、簡単に善人に変わるのは、ちょっとイージー!
社会的に要望されている「産婦人科」病院の反映のためとは言え、
簡単に妻・愛人2人・スパイ部下・強請部下の5人を一気に殺す
男が何か良い人・・・・って感じに読み取れちゃうところが不思議・・・。

「インターセックス」=「男と女の真ん中ではなく、人間」という
取り上げ方が素晴らしいと思う。
最近世の中は、何でも安易に2つに分けたがる傾向があり、
それに当てはまらない場合の方がきっと多いのに、
無理矢理当てはめて考えるイージーさが色々なひずみを生み出している
ような気もしていました。
(勝ち・負け、利口・馬鹿、裕福・貧乏等など)
何でもその真ん中があっても良いでしょうって思う。
(世の中曖昧なのが一番大事と言うことも多いしね)

それに、産婦人科医を巡る社会的問題の解決法もこれで。
「課題労働の軽減=人数を増やす・訴訟=大きな金額の保険を医院で保障」
地域医療の問題解決に対しても、作者の視点で示唆しているような・・・・。

 正義感溢れる女性医師・秋野とモンスター院長・岸川の対決よりも
今医学界が抱える問題について深く捉えた作品だと思いました。
岸川の遺書の一文。
「産婦人科ほど素晴らしい医学はない。人の生まれに関わり、その成長を
ずっと見つめられる・・・・・素敵な学問・・・・」

 岸川の作った理想的なゴージャスな大病院に集まる個性的なドクター
たちの描き方も非常に好感が持てました。
特に秋野の最終絶対的な味方である病理部長・峯の正義を貫く態度と
電車オタクの所に、好感が持てました。
 いつものことですが、箒木蓬生の小説は、色々と学ぶことが多いです。